インドネシア映画月間 第二弾
バクダパン・フード・スタディ・グループ作品上映 ＋レオンハルト・バルトロメウスによるトーク
インドネシア映画上映月間 第二弾は、ジョグジャカルタを拠点に、食について調査し芸術表現を行うアーティスト集団「バクダパン・フード・スタディ・グループ」のドキュメンタリー映像2本の上映＋レオンハルト・バルトロメウスさん（山口情報芸術センター [YCAM]キュレーター）によるポストトークです。バルトさんには、上映作品について、また、現在YCAMで開催中のバクダパンの個展や自身の食と倫理にまつわるプロジェクトについてなどお話しいただきます。
＊イベント終了後にはバルトさんとの懇親会も開催予定です。
●日時：7月8日（日）15:00〜17:30
上映約60分＋トーク90分（トーク言語：英語、日本語逐次通訳あり）
●会場：Q SO-KO （名古屋市中川区外新町2-84）
●入場料：一般 1,000円（ドリンクつき）、学生 500円（ドリンクつき）
●事前予約制：ご予約はこちら
上映作品1
Cooking in Pressure（抑圧の料理）
26分／2017／日本語字幕
1965年（インドネシアで共産主義者大虐殺があった年として知られる）の生存者女性へのインタビュー映像。1966年には指導者がスカルノからスハルトに変わり、農業・食料政策などに大きな変化があった中で、生き残るための手段として雑草が食料として用いられていたことなど、元政治犯である女性の視点から、見過ごされがちな個人の物語と知られざる歴史を掘り起こす。
2017年OKビデオフェスティバル（ジャカルタ）出展作品。
上映作品2
Moro Moro（モロ・モロ）
28分／2019／日本語字幕
インドネシア北端の島の一つ、モロタイ島に住むモロの人々の物語を探る映像作品。モロタイの人々はモロ民族を超自然的な存在と信じ、民族にまつわる物語を代々口伝で伝えてきた。本作は、モロの人々の思索的な視点から、島の歴史について、植民地主義、宗教対立、文化的交流など、特に農業、食料生産消費の面でモロタイ島の現代の生活を形成しているものを掘り下げ、さらに、国民国家による支配的な地理と周辺地域の現実の対比を浮き彫りにする。
第6回シンガポール・ビエンナーレ（2019）出展作品。
トークゲスト
レオンハルト・バルトロメウス
1987年生まれ。山口情報芸術センター [YCAM]キュレーター。
ジャカルタ芸術大学を卒業後、2012年にruangrupa（後にGudskul Ekosistem）に参加。近年のキュレーション・プロジェクトは、オープン・エデュケーションとコラボレーション・プロジェクトに焦点を当てている。2023年3月11日から6月25日までYCAMにて開催中のバクダパン・フード・スタディ・グループによる個展「The Flavour of Power─紛争、政治、倫理、歴史を通して食をどう捉えるか？」を企画。
アーティスト
バクダパン・フード・スタディ・グループ
バクダパン・フード・スタディ・グループは、8名の女性で構成される、食について語り合うアーティスト集団。食をお腹を満たすものとしてだけでなく、料理をはじめ、政治、社会、ジェンダー、経済、哲学、芸術、文化など、より幅広い問題について語るための道具にもなり得ると考えている。アート、民族誌、リサーチ、実践を行き来しながら「食」に関して調査し、芸術表現（パフォーマンス、インスタレーション、展覧会など）から日常生活の実践（料理、ガーデニング、読書など）に至るまで、その方法や形態を探求し、実験することに関心を持っている。
＊アーティストの登壇予定はありません。
アーティスト日本初個展
YCAMとアーティストが食の倫理的な側面にまつわる調査を実施し、おもに太平洋戦争中の日本とインドネシアの食における関わりから、農作物の遺伝子改変や単一作物の生産への依存（モノカルチャー）について取り上げ、映像インスタレーション、カードゲーム、資料展示で展覧会を構成。
YCAMでの展覧会を見ていただくと、Q SO-KOでの上映会＋トークがより楽しめると思います！6月25日まで開催中。
