2021年2月1日のクーデター発生以降、軍事政権による支配が続くミャンマー。
ジャーナリストや映画制作者の逮捕が続く厳しい状況下でも作品を作り続けるため、若手ミャンマー人作家たちが自らの匿名性を維持した「ミャンマー・フィルム・コレクティブ」を結成。本作は、10人が参加し、ミャンマーに縁のあるオランダ在住プロデューサーらの支援のもと制作された。彼らは自由が奪われたこの国で、現在声を上げることのできない人々に声を与えることを目的としている。(公式サイトより)
パレスチナ、ウクライナ、シリア、スーダン・・・
世界各地で次々と人道危機が発生しては別の地のことは過去として忘れ去られていく・・・ミャンマーもまだ終わりを迎えてはおらず、同時代を生きるアーティストたちも、リスクを抱えながら表現を続け闘っています。そんなミャンマーのアーティストたちによる作品を一緒に観て、専門家によるポストトークをお聞きし、そして鑑賞者のみなさんを交えたディスカッションをする機会にできればと思います。
ポストトークのゲストには、ミャンマーの精霊信仰や映画事情に精通されているミャンマー研究者・山本文子さんと、長年東海地域のミャンマー難民の方々の支援に携わり名古屋市中川区のミッタディカパゴダの建立にも尽力された馬島浄圭さん(妙法寺住職)をお招きします。
●日時:12月3日(日)14:00〜16:30
●場所:Q SO-KO(名古屋市中川区外新町2-84)
●入場料:1,000円(ドリンク付き)
●事前予約制:ご予約はこちらから
監督・制作:ミャンマー・フィルム・コレクティブ(匿名のミャンマー人監督たちによる制作)原題:Myanmar Diaries | 2022年 | オランダ ミャンマー ノルウェー | 70分 | ミャンマー語 |カラー | DCP | 5.1ch 配給:株式会社E.x.N
東南アジアの国、ミャンマー。民主化にむけて変革が続いたこの10年、市民は自由と発展への希望を抱き始めていた。しかし2021年2月1日、軍が再び国の支配に乗り出し、反発した民衆による大規模な抗議デモが全国各地で勃発。人々は抵抗のシンボルとして三本指を掲げて軍政に反対する声をあげるも、一人の少女の死を皮切りに軍の弾圧行為は激化し、人々の自由と平穏な暮らしは崩れていく……。インターネットは定期的に遮断され、軍に都合が悪い情報を発信するメディアや SNS 投稿が処罰の対象となるなど、国内外に情勢を伝えることが困難な中、若手ミャンマー人作家たちが自らの匿名性を維持しながら“ミャンマー・フィルム・コレクティブ”を結成。それぞれの日常から生まれた10人の映画監督による短編映画と SNS に投稿された一般市民の記録映像をシームレスにつなぎ、抑圧された日常における切実な”一人称の物語”を紡いでいく。
山本文子2003年よりミャンマーに通い始める。大学院生時代にミャンマーの精霊信仰の研究に従事する傍ら、ミャンマー映画を見始める。現在は会社勤めをしながら、日々ミャンマー映画(主にB級)をチェックすると共にミャンマー映画史の再構築を試みている。著作に「隠れた映画天国」『ミャンマーを知るための60章』(2013、明石書店)所収など。
馬島浄圭日蓮宗妙法寺住職。ミャンマーから逃れてきた難民たちの支援や、2015年に名古屋市中川区にあるミャンマー式パゴダ「ミッタディカパゴダ」の建立に尽力。